旬の柚子を無駄なく使う!美味しいアレンジ法
日本の冬を感じる香りというと、柚子!他の柑橘類では感じることができない柚子独特の甘く豊かな香り。「冬至の時にお風呂に入れることにしか使わない」なんてもったいない!皮、実、果汁、そして、種まで使える、柚子の魅力に迫ります。
柚子の起源と二十四節気
柚子は中国原産の柑橘類といわれています。まろやかな酸味があり、甘く、優しい香りが広がります。他の柑橘類では感じられない柚子特有の香りが、なつかしさを感じさせます。
冬に収穫期を迎え、日本の冬の味覚には欠かせない柚子。昼の時間が最も短くなる12月21日前後の冬至の時期「冬至」には、健康を祈って、湯船に柚子を浮かべ、柚子湯に入ることがあります。まっさらなお湯に浸かるより、柚子湯のほうがリラックスできて、体も温まると感じたことのある方もきっと多いことでしょう。
捨てるところがない、柚子
特に冬至の前後では、スーパーマーケットや市場で多く柚子を見かけ、価格も安価で買えることでしょう。なかなか柚子が日常的に食卓に上がるという家庭は多くはないかもしれませんが、ぜひ、旬の冬には、柚子を手に取って、様々な使い方を試してみてください。皮、果汁、実、すべて、柚子はほとんど捨てるところがないほど、活用方法がたくさんあります。そのいくつかをご紹介します。
風味抜群!果汁の利用
柑橘類といえば、オレンジやミカンなどの果肉を食べたり、ジュースを飲んだりということを想像されることが多いでしょう。柚子の果汁はそのまま飲むというよりは、一工夫していただきましょう。
簡単柚子ポン酢
<材料>
柚子の果汁 大さじ1
醤油 大さじ1
すりごま(お好みで) 適量
オリーブオイル(お好みで) 適量
<作り方>
柚子を切って絞り、とれた果汁と、同量の醤油を加え、よく混ぜるだけ。出汁をとって作るタイプの本格派の柚子ポン酢とは違い、少量から気軽に作れます。酸味が強いので、湯豆腐などにぴったりです。塩味がきついと感じる場合には、柚子の果汁を増やしてください。ここに、オリーブオイル、すりごまをお好みで加えると、和風ドレッシングの出来上がり。サラダにかけて召し上がってください。
体ほかほかピリッと柚子湯(1杯分)
<材料>
柚子果汁 大さじ1
生姜 小さじ1(すりおろし)
はちみつ 大さじ1~2(お好みで)
湯 200ml
柚子の皮 少々(すりおろし又は千切り)
<作り方>
すべての材料を入れて、混ぜます。柚子果汁とはちみつをお湯で割るだけで、「柚子版レモネード」ができますが、生姜を少量プラスすることで、味にアクセントがつきます。柚子や生姜の抗菌作用を期待して、冬の健康管理に取り入れてもいいでしょう。
千切りにして、皮まで美味しく!
柚子は国内で収穫され、すぐに流通することが多いため、ポストハーベストなどの農薬が輸入の柑橘類に比べて少なかったり、無農薬のものも出回っています。柚子の香り成分は特に果皮に多く含まれるので、皮まで美味しく食べたいですね。とはいえ、果皮を風味付けに利用する程度では一度に少量しか必要のないお料理がたくさん。たくさん果皮が余ってしまった場合には冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存の2つのアイディア
1)果皮の表面の黄色い部分のみ薄く削いだ後、千切り
2)果皮をみじん切りにするか、フードプロセッサーにかけて、細かくする
ジップ付きバッグにいれて冷凍保存。どちらの方法も1か月程度保存可能です。
柚子の千切りは、冬が旬の白菜と浅漬けにしたり、すまし汁の風味付けや具材として重宝します。ペースト状の柚子は、柚子ジャムに仕立てるのがおすすめです。
おまけ:種は化粧水に活用!
果汁、果皮など利用したところで、手元にはたくさんの種が残りますね。でも、捨てないで!柚子の種の周りのぬるぬるした成分はペクチンといって、水溶性食物繊維の一種です。これも有効に活用できます。種を水につけておくとペクチンが溶けた水ができるので、前述の柚子ジャムを作るときに加えるととろみがつけられます。また、食べる以外の方法では、美容に使うという方法があります。
柚子種チンキ ~柚子種化粧水の素~
<材料>
・柚子の種
・ホワイトリカー 柚子の種の重量の3~5倍程度
・煮沸消毒した瓶
<作り方>
柚子の種をさっとすすぎます。強いもみ洗いなどをしてしまうと、ペクチンが溶けて流れてしまうので、注意します。瓶に種とお酒を入れ、上下をさかさまにするように振り混ぜます。冷蔵庫で保存し、1日1回程度振り混ぜ、1週間熟成させ、種を濾して、できあがりです。種は2回ほど使えます。出来上がった柚子種チンキを精製水で5~10倍程度に薄めれば、柚子種化粧水になります。
アルコール分が刺激となり、肌に合わないこともあるので、お肌の敏感な方はパッチテストをしてからご利用ください。
⇒パッチテスト: テストしたいものを少量、上腕の内側に塗り、24~48時間、様子を見てください。30分程度たったところで、赤みやかゆみなどがなければ、危険性は少ないといえます。万が一、痒みが出た場合には、せっけんを泡立てて、よく洗い流してください。
紹介した使い方の他にもまだまだ様々な楽しみ方ができる、柚子。日本の冬に欠かせない美味しい香りをぜひお楽しみくださいね。
この記事は、2019年2月に株式会社NTTドコモ様「ハジコレ」に寄稿させて頂いたものと同じ内容です。
https://hajicolle.smt.docomo.ne.jp/channel03/cat014/det001068.html (現在は閲覧終了しています)
(加筆)2023.12.21