“風邪に抗生物質、使わない病院に報酬 耐性菌の抑止策”

先週の朝日新聞の記事にも出ていましたが、4月からの診療報酬改定に大きな変更がありました。

風邪に抗生物質、使わない病院に報酬 耐性菌の抑止策

厚生労働省は誤った使い方によって薬が効かなくなる「耐性菌」の広がりを抑えるため、医師が乳幼児の風邪や下痢に抗生物質を使わずに適切な説明をすれば、医療機関に報酬を支払う新たな仕組みを設ける。4月からの診療報酬改定に盛り込む。

国内でよく使われている抗生物質には、セファロスポリン系のフロモックスやフルオロキノロン系のクラビット、マクロライド系のクラリスなどがある。肺炎などを引き起こす細菌を壊したり増えるのを抑えたりするが、ウイルス性の風邪やインフルエンザには効かない。耐性菌は人の体内や環境中に一定数存在する。抗生物質を使って他の菌を死滅させても、耐性菌は生き残り増えてしまう。

・・・(中略)

4月以降、風邪や下痢で初診の3歳未満に、手引に基づき抗生物質が不要と医師が判断した場合に病院や診療所側に800円が支払われる。幼いと副作用が出やすいため、この年齢層から始めるという。患者側は2割(未就学児)を支払う。保護者らが薬を求めれば、「ウイルスに効かない。副作用が出たり長引いたりする場合がある」「大部分は自然に良くなる」といった説明で理解を促す。

2月17日朝日新聞デジタル、下記記事より引用。
https://www.asahi.com/articles/ASL277TGNL27ULBJ020.html

ウイルスが原因の風邪や感染性の下痢に抗生物質は効かないと分かっていること。

国からも「風邪に抗生物質は無効」と啓蒙活動がされています。

でも、処方が止まらないのはどうしてなんでしょう。

この症例に抗生物質出す?!と思うこともありますが、薬剤師は処方権を持たず、病名の診断ができないので無力だなとあきらめるばかり。

結局、医師の知見の刷新と、患者様側への啓蒙が重要。

日本は皆保険で医療が安いので、薬をもらわないと損と考えたり、薬をたくさんもらうことに何の抵抗もない患者様が山ほどいます。

医師がこれくらいの症状なら薬がいらないと判断しても、出せと怒られるということもあるくらい。

今回の診療報酬改定では、「薬を出さない」という選択肢に報酬が支払われるという画期的な改定。

ただ、3歳以下しか算定されないっていうのは、やはり公費で医療費が無料になる自治体が多いからという面もありそう。

いずれ、年齢制限がなくなり、すべての年代においても同じように算定されるようになり、不要な抗生物質の処方が減ってきたところで、報酬の算定が撤廃される、、、

そう期待される通りの未来になって欲しいですね。

以前に、イギリスの研究結果などを含め、耐性菌についてまとめた記事についても、合わせて、ご覧下さい。

『薬剤師が風邪を引いたら飲む薬』

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