世界で初めて全身麻酔下外科手術を成功させた医師
世界で初めて、麻酔薬を用いて外科手術を成功させたと言われる「華岡青洲」という医師を知っていますか?
現代では様々な麻酔薬が開発され、用途に応じて用いられていますが、麻酔薬が用いられるようになる以前の外科手術は患者の痛みも想像を絶するものであったでしょうし、手術する医師も大変だったでしょう。
初期の麻酔の代表格のエーテル麻酔よりも前に、チョウセンアサガオやトリカブトなどの生薬を組み合わせて作った通仙散(麻沸散)という麻酔薬をつかって、世界で初めて全身麻酔下での外科手術を行ったのが、華岡青洲という医師です。
この通仙散に使われた生薬は、大変作用が強いものが多く、華岡青洲の妻と母は、この麻酔薬の開発のために自らの体を差し出して、結果、失明等の犠牲を負いました。
この小説「華岡青洲の妻」は、青州の華々しい成功を支えた女性たちの視点から書かれた小説です。
憧れ、嫉妬、絶望、、、臨場感が伝わってきます。
医学薬学に関わる人、ハーブを勉強する人には華岡青洲はなじみある名前かと思うので、もちろん楽しめます。歴史小説としてだけでなく、女同士の骨肉争いの情景など(笑)、とても秀逸でしたので、おすすめです。
もうちょっと大きくなったら、子どもたちにも読んで欲しいなと思います。