漢方相談例4『ひざの痛み』
漢方相談の症例は、症状の改善が見られた患者様で、ご本人の了承を得たもののみ、ご紹介しております。
患者様背景
70代前半 男性
主訴
右膝の痛み
来店時の症状の強さ程度:8(10段階評価で程度が最も重い状態を10とする)
治療内容と患者様のご体調
初回来店:2023年5月。
20代後半に、交通事故で右の脚に怪我をして、当時は大した怪我ではなかったそうですが、3~4年前から右膝に負担が出るようになり、夕方になると特に違和感を感じるようになりました。整形外科では完治は難しいとのことで、痛み止めを処方されていましたが、激痛はないものの違和感が取れず、漢方相談にいらっしゃいました。活動的で若々しい方で、あまり冷えている様子もありませんでしたが、温泉に行くと何度も入りたい、温めると患部が楽になるとのことで、漢方薬でも温泉に入った時のように温めて痛みを緩和させていく方針としました。煎じ薬を選択されました。
1か月後には、明確に違和感が減ったとおっしゃいました。
2か月後、一時的に悪化が見られ、ひざをかばったせいか、太ももがつっぱるというようなこともあり、痛みや腫れを緩和させる漢方に変更したこともありました。
現在は、スケール評価では2~3の間となり、自転車に乗る時の痛みはなく、階段を降りる時の違和感が少しあるくらい、と満足感があるようです。また、副次的効果ですが、夜中にお手洗いに行きたくなることが減り、体が温まった効果が関係あるのかもしれません。
煎じ薬をとても気に入っておられ、ご旅行用にお渡しした粉薬との効果の差を感じておられました。現在も、時折休みながら、漢方薬を続けられています。
当店をご利用頂き、ありがとうございました。
体の組織に損傷があり、元の状態に戻らないため、「古傷が痛む」というケースは、正直、漢方薬でも完全に痛みを取り去るのは難しい可能性がありますし、長期使用になることもやむをえません。ですが、病院で出る西洋薬とはまた違ったアプローチになるので、新たな実感を得られるかもしれません。処方薬との併用が可能かどうかも確認いたします。「飲んでいる方が飲んでいないより楽」が実感できれば続けていき、痛みが気になっていない時は漢方薬を休み、痛みが出た時に改めて漢方薬を飲むということでもいいと思います。
整形外科で出る解熱鎮痛剤で胃などの消化管に負担がかかり副作用が出たことがある、ずっと飲むことに抵抗がある、という方も、一度、漢方薬をお試しいただければと思います。
また、養生としては、体の柔軟性を保つ体操やリハビリは欠かさず、薬だけでどうにかしようとしないことも大切です。下半身の筋力が衰えないように、簡単な筋トレ、たんぱく質の摂取も継続して意識して行いましょう。
当店の漢方相談の流れについては、 こちら をご参照くださいませ。