漢方相談例11『めまい』
漢方相談の症例は、症状の改善が見られた患者様で、ご本人の了承を得たもののみ、ご紹介しております。
患者様背景
30代前半 女性
主訴
めまい(来店時スケール6、10段階評価のうち10が程度が重い)
治療内容と患者様のご体調
初回来店:2023年12月。
20代からめまいが起こりやすいけれど、ここ1週間で悪化しました。妊娠中にもめまいがありました。偏頭痛もあり、天気に左右されている感じもあります。
20代の頃からめまいが起こりやすく、ここ1週間でひどくなってしまい、来店されました。立ち上がる時にめまいが起こり、赤ちゃんを抱っこすることから危険を感じ、治したいとのことでした。
舌には歯痕、のどの詰まり感がある、お食事の好みが脂っぽいものや味の濃いものを召し上がることが多い傾向から痰飲(どろりとした余分な水)の存在がありそうでした。また、立ち上がる時にめまいが起こるのは陽気の不足ととらえました。悪化したのは最近でしたが、月齢の小さな赤ちゃんを連れておられ、出産と育児に伴う血(けつ)の消耗も感じました。
そこで、痰飲を減らし陽気を補う処方に、血を養う処方を加え、1週間分お渡ししました。
3日目までは何も変わらなかったようですが、それから徐々に、明らかにめまいの回数が減ったそうです。来店時は、立ち上がる時には2,3回に1回はめまいが起きていたので、1日にすると数え切れないほどだったそうですが、1日数回にまで減りました(スケール3)。
服薬後すぐ著効したことと、もう少しスケールが下がればと思い、さらに2週間分お渡しして、次のご来店時には、スケール1~2というところまで減少しました。めまいは、1日1,2回に減り、薬を飲み忘れるくらいだとのことで、症状はひと段落しているようでした。そこで、手持ちに残っている薬は悪化した際のためにとして残し、同時にご相談があった皮膚の症状の治療に移ることとなりました。
いくつか相談事項がある場合、一緒に改善を目指せる場合と、全然方向性が異なる場合があります。
後者の場合において、どちらの薬も出してもらえればとおっしゃる方もいらっしゃいますが、治療の方向性がぶれてしまうので、メインとなる症状にある程度改善が見られてから次に移ります。結局その方が効果を感じやすくなるかと思います。
この方の場合には、めまいと、治したい別の症状の方向性が違うと判断しました。めまいがまた出てくるようなことがあれば、めまいの漢方薬に戻す可能性もあることを説明の上、別の漢方薬の服用を開始しています。
養生としては、お子様が小さく、体力の消耗が激しいことから、食事にはたんぱく質を意識して摂取していただくことをお願いしています。
当店をご利用頂き、ありがとうございました。
🌿漢方相談について
オーダーメイド漢方は予約優先制です。お薬作成含め、初回50分、2回目以降30分程度頂きます。2回目以降は事前のご連絡で予めご用意できます。当日相談希望の場合は、店頭、お電話などでお問い合わせ下さい。商品購入のみはご予約不要です。