イチョウの紅葉が美しい

このところ、どこへ出かけても、イチョウの美しい紅葉を目にします。

内藤記念くすり博物館」のイチョウです。

訪れた時の様子 ⇒ こちら

久我山駅そばの、神田川沿いのイチョウです。

もみじの赤の「紅葉」も綺麗ですが、イチョウの黄色の「黄葉」も捨てがたい。

日比谷公園のイチョウともみじのコントラスト。

イチョウ、もみじ、どちらも夏の緑の葉からガラッと色が変わりますが、仕組みは異なります。

夏の緑の葉の色は、葉緑素であるクロロフィル由来の色。

クロロフィルは光合成を行うために光を吸収します。

落葉樹は、秋になると寒くなり、乾燥するので、光合成の効率を下げ、葉から水分やエネルギーを失うのを防ぐために落葉するのだそうです。

その準備として、不要になったクロロフィルが分解され始めます。

すると、イチョウの葉は、クロロフィルが分解された後、葉の元の色の黄色色素のカロテノイドの色が見え、「黄葉」します。

カロテノイドはニンジンなどの野菜に含まれることで有名ですね。

一方、もみじの葉は、クロロフィルが分解された後、葉に余っていたブドウ糖が紫外線の働きにより、赤系色素のアントシアニンに変わり、「紅葉」します。

葉の色の変化でも植物により異なるのが面白いです。

イチョウは、メディカルハーブとして重要な植物で、脳循環を改善し、記憶力を良くしたり、認知症予防などの効果を期待されています。

高齢化社会に欠かせないハーブの一つ。

イチョウのハーブティーも良いですが、より効能を期待するならエキス剤の選択が良いとされています。

ドイツではコミッションEで、イチョウの有用性が認められ、エキス剤の規格が定められています。

また、イチョウといえば、この時期、道に落ちた銀杏から独特な匂いが。この匂いが嫌いな娘はイチョウを見かけるたびに騒いでいます。

銀杏に目がない、という方も多いですよね。

私は大嫌いで食べられないのですが、大好きだという方が多いです。

ただ、銀杏には中毒が知られており、致死量もあります。

経口中毒量は、子供では7〜150個、成人では40〜300個。

40個なんて楽々食べられる、という方、いませんか?

意外と少ない量で中毒が起こるんです。

嘔吐や痙攣が一般的な症状で、酷いと死に至りますので、くれぐれも、一度に大量に食べること、小さなお子様に大人と同じ量を与えるようなことはしないでください。

私が大学の頃、12年前は、銀杏の中毒の正体は青酸配糖体が原因ではないかと言われているなど、原因がまだはっきりわからないと習いました。

近年、中毒の原因物質(4′-methoxypyridoxine)が推定され、ビタミンB6を静注で投与することで改善されることが分かっています。

万が一、中毒が出た場合は、銀杏を吐かせずに医療機関を受診してくださいね。

また、銀杏に限らず、家庭で起こりうる中毒の際にまずどうしたらいいのか、どこに問い合わせするべきかの記載があるサイトがあるので、ぜひ、知ってもらいたいです。

日本中毒情報センター

http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf

家庭でも、化粧品、洗剤、タバコの吸い殻、灯油などの誤飲の際に、吐かせたら良いのかなどの情報がここを見れば明白なので、小さいお子様のいるご家庭はぜひブックマークをお勧めします。

そろそろイチョウも落葉してしまうはず。

残りの黄葉を楽しみましょうね。

《参考ウェブサイト》

・国立科学博物館「遅くなった紅葉」
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/theme.php?id=0001217205482884&p=2

・日本中毒情報センター
http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf

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