火傷の手当て

先日、ご飯を作っていた時、コンロで鍋の中身を温めていた隣にサラダを作っていたステンレスのボウルを置いていて、鍋とボウルが接触していてアツアツになっているのに気づかず、思いっきり手でボウルを握ってしまい、左手の親指と人差し指を火傷しました(泣)

不幸中の幸いだったのは、その時、お皿を洗っていて、手が濡れていたこと。濡れていなかったら、さらにひどい傷になったと思います。

火傷をしたら、まずやるべきことは、流水で冷却。最低5分は冷やします。(長くても30分程度)

皮膚の表面が服とくっついてしまっているような場合には、無理にはがそうとせずに、そのまま冷却します。保冷剤などを使おうとされる方もいるようですが、冷やしすぎるのも良くないので、水道水の流水が一番です。表面が赤くなる程度の火傷でしたので、引き続き、お皿を洗いながら、指を流水で冷やし続けたのでした。

ある程度、冷やした後、ひどい皮膚の損傷がないことを確認してから、ラベンダー・スピカ精油を1滴、患部に垂らしました。

「火傷にラベンダー」というのは、アロマテラピーをある程度習っている方だと思い出されることではないかと思います。

精油を心身の健康に役立てる健康法、「アロマテラピー」という言葉を作ったと言われる、フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセ。研究中の爆発事故での怪我に、ラベンダー精油を治療として用いて、効果を得られたという話が有名。ラベンダーの精油には様々な種類があるけれど、この時のラベンダーはラベンダー・スピカの精油だったのではと言われています。

↑全部ラベンダーです。まだまだ他にも種類があります。

ラベンダー・アングスティフォリア精油は、酸味と甘みが感じられる花らしい香りで、ラベンダー畑の光景が浮かびます。「リラックスの精油」として親しまれています。

一方、ラベンダー・スピカ精油は、スーッとした、清涼感のある香り。ラベンダー・アングスティフォリア精油の香りとは全然違っています。

これは、成分からも説明がつきます。

ラベンダー・アングスティフォリア精油には、エステル類の酢酸リナリルとモノテルペンアルコール類のリナロールが豊富に含まれ、リラックス作用や鎮静作用が期待できます。

ラベンダー・スピカ精油には、酸化物類の1,8-シネオールと、ケトン類のカンファーを多く含み、粘液溶解作用や去痰作用を生かして、呼吸器系のトラブルに、瘢痕形成作用を生かして、皮膚のトラブルへの使い方などが考えられます。

普段、私は精油を原液のまま皮膚に塗布する危険性についてお話しているし、私自身も精油を原液のまま皮膚に塗布することはほとんどありません。

ただ、ラベンダー・スピカ精油は、数少ない、私が原液で使う精油です。夏の虫刺され、火傷、切り傷に「1滴」というように。

今回の火傷では、流水で5分以上冷やした後に原液を1滴塗布。(13時すぎごろ)

1時間くらい経ってから原液を1滴塗布。(15時ごろ)

19時ごろに原液を1滴塗布。

入浴してから原液を1滴塗布。

以上4回塗布しました。

翌朝、患部がピンク色に盛り上がってきて、水膨れが出て、痛みが出てきました。

患部の大きさや程度から、軽度と判断したので、病院には受診しませんでした。

もし、患部が広かったり、ひどい損傷がある場合には、精油を使わず、必ず病院へ受診してください。

火傷は、深いほど神経の損傷があり、ひどいと痛みを感じる感覚が失われるといわれます。

翌日のケアは、朝にラベンダー・スピカ精油の原液1滴を塗布し、あとは患部が絶対に乾かないように、ワセリンを重ねました。

日中は精油は使わずに、ワセリンをこまめに塗って湿潤させました。水膨れをやぶると、そこから細菌感染症を招く恐れがあるので、絶対にわざとつぶすようなことはやめてください。

入浴後もラベンダー・スピカ精油の原液1滴を塗布し、ワセリンを重ねました

3日目までは指の関節だったので、曲げる度に痛みがあったけれど、4日目には皮膚の表面が固くなり、これはがさないようにワセリンを塗り続けて、6日目には自然に固い皮がむけて、皮の下の組織がちゃんときれいになっていました。

乾かさないようにしたのが良かったのだと思います。この後も、表皮がきれいになるまで、ワセリンを塗りました。

3日目以降は精油を使わなかったけれど、もし行うなら、水性ジェルにラベンダー・スピカ精油などを5%程度で希釈して使ったかな。

ワセリンよりもっとナチュラルなものがいい方は、セントジョンズワート油やカレンデュラ油と、ミツロウを合わせたシンプルな軟膏で保護するのも良いでしょう。

ラベンダー・スピカ精油を使ったことが少しでも効果があったならいいな~と思います。

火傷の時には何をすればいいかをまずはきちんと理解して。

  1. 流水で冷やす。
  2. 水膨れを破らない。
  3. 患部を乾かさないようにワセリンやミツロウ軟膏などをぬって湿潤する。

その上で、アロマテラピーやハーブでのセルフケアをしていただきたいと思います。

注)
私は、自己責任のもと、火傷にアロマテラピーでのケアを試しました。同じような症例の方で、このレシピを試しても治らなかった、悪化した場合でも一切責任は持てません。アロマテラピーを勉強されたことがない方が、安易に精油を原液で使用したり、高濃度に希釈した精油を使うことは危険です。
また、ご自身でアロマテラピーのケアをする場合でも、「受診したほうがいいかな」と思う場合には、必ず、まず医師に診断をしてもらうことをお勧めします。

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