ジャスミンの香りを閉じ込めたクリーム
春になり、たくさんのお花に楽しませてもらっています。
目で美しさを感じ、そして、花で香りを感じる。
五感がフル稼働。
今年は、庭のハゴロモジャスミンを去年、強剪定したことがよかったのか、たくさんのお花を咲かせました。
ジャスミンは夜に香りがとても濃厚だと聞いたことがあるけれど、日中も結構離れていてもふわっと妖艶な香りがする。
でも、ジャスミンの精油を嗅いだ時よりは、植物自体のほうが軽い香り。
そんな香りを閉じ込めたクリームをアンフルラージュの方法で作りました。
アンフルラージュとは?
「アンフルラージュ(冷浸法)」とは、ヨーロッパなどで古くから、特にお花の香りを採るのに使われてきた手段です。
ガラス製の板に、精製した牛脂や豚脂を塗って、その上にお花を並べ、しおれたら新しいものに取り換える、この繰り返しで、油脂に香りを移していく、油脂吸着法です。
そして、花の香りが飽和した油脂を「ポマード」といいます。
「ポマード」にエタノールを加えて、エタノールを揮発させた後に残ったものは「アブソリュート」といいます。
とても時間と手間がかかる方法なので、現在は、溶剤抽出法や二酸化炭素抽出法などの新しい抽出法に取って代わり、なかなかアンフルラージュで作られた精油を見かけることは難しいそうです。
自宅で簡単にアンフルラージュを行う方法
1.ガラス製のシャーレの蓋に、シアバターを2-3㎜位の厚さに塗る。表面積を広くするために、つまようじなどで、表面を軽くひっかく。
2.シャーレにジャスミンの花を並べて、蓋をして、上下逆にする(シアバターが蓋となるように)。
3.2~3日置いて、花がしおれたら、新しい花と交換し、3回程度繰り返す。
4.清潔にしたクリーム容器に、香りが移ったシアバターを詰め替える。
★ガラス製のシャーレがない場合には、できるだけ蓋が大きいクリーム容器などを使いましょう。
★シアバターは原料臭が強い商品がありますが、私は KENSOのシアバター が比較的香りが少ないのでアンフルラージュにおすすめします。
出来上がったポマードの利用法
花を丁寧に取り除いたシアバターには、華やかなジャスミンの香りが移っています。
ハゴロモジャスミンの咲く5月は暖かく、シアバターも柔らかくなっているので、そのままクリームとして使うのがおすすめ。手、髪の毛先のパサつき、かかとなどの保湿に。
また、シアバターを使うレシピのアロマクラフトの材料にしても良いと思います。
アンフルラージュ過程で水分を含んでしまい、とても傷みやすいので、扱うときはスパチュラで、かつ、なるべく早く、1カ月を目安に使い切りましょう。
試してみたい方は、花が咲き始める前に準備をして、咲いたら早めに始めてくださいね。
(追記)2022.04.27