漢方相談例21『ほてりとイライラ感がひどい』

漢方相談の症例は、症状の改善が見られ、患者様ご本人の了承を得たものを紹介しております。

患者様背景

40代後半 男性

主訴

・ほてりとイライラ感がひどく、時々めまいが起きる。足のしびれ感を感じる。(来店時のスケール: ほてり 10、イライラ 10、めまい 10、手足のしびれ 4。10になるほど程度が強い)

治療内容と患者様のご体調

初回来店:2025年9月。この症状が始まった時期:1年ほど前から。

1年ほど前から、ほてりとイライラ感が強く、ささいなことで急に怒りが高まるのが気になるようになりました。毎日ではないけれど、夕方にめまいがして、ふらっとします。頭や顔、手のひらがほてり、周りの人よりもとても暑がりになっていると感じます。

1年ほど前から、ほてりが強くてとても熱く感じ、ささいなことでイライラするようになり、イライラするとほてり感も悪化する傾向がありました。ほてりを感じるものの、そういったときに体温を測っても平熱だということです。運動している間はこの症状が気になりません。整形外科では異常なし、内科では自律神経失調症ではないかと言われたとのことでした。ご自身では男性更年期ではないかと疑っているとのことでした。

顔は赤く、舌の色は紅で乾燥しており、脈は速め、ほてりはあるものの、足先は冷えを感じて、胸が詰まったような苦しさと脇腹が痛い。急に怒りが込み上げてくる。

以上のことから、加齢とともに「陰」が減り、「陽」の力とのバランスが取れなくなっている状態を整え、上半身の熱を冷まし、精神状態に関与する「心」の気を整えていくことを目標に、漢方薬をお出ししました。

ほてり、イライラ感、めまいはこの漢方薬で改善が期待できるけれど、手足のしびれについてはまた別のアプローチが必要だと考えているとご説明しました。

この薬はかなり苦みも強く、少し味見されたご家族には気持ち悪い味だったけれど、ご本人には全く気にならなかったというのも印象的です。この苦みが怒りのコントロールのキーの生薬になっています。

1週間は体調に変化はなく、お仕事の都合で煎じ薬を作ることが難しいということでしたので、2週目から粉薬に変更しました。

3週間たったころ、カーっとすることが減り、めまいがなく、何か月かぶりに体調が良いということでした。ご本人の評価から見てもかなり改善しています。(ほてり 5、イライラ 2~3、めまい 0~1、手足のしびれ 4)

ここから1か月後、ほてるというより、むしろ寒く感じて、去年のほてっていた頃とは違うとのことでした。寒さをちゃんと感じているという感じでしょうか。ほてりが鎮まるにつれて、イライラ感も減ったそうです。出張が多い方で、飛行機や新幹線での長距離の移動後にはめまいが出ることが多かったのが、今回は出ず、出なかったことが数か月ぶりとのことでした。(ほてり 1~2、イライラ 1~2、めまい 0~1、手足のしびれ 4)

結局、手足のしびれはやはり不変でした。こちらは違う薬を試していただきたいと思いましたが、イライラ感、ほてりの改善の満足度があるので、一旦ここで、2か月間程度で終了となりました。また同じ状態が出たら来ていただくこととなりました。

当店をご利用頂き、ありがとうございました。

この方には、女性の更年期でも頻繁に使用される漢方薬を使用しました。女性だから、男性だから、という性別に関わらず、同じ要因が招いた病態だと考えられるならば、同じ漢方薬を使います。

感情の起伏に関するご相談は、当店の漢方相談の中でも多い相談です。怒り、落ち込み、不安、悲しみなど、漢方薬が役立つことが多いです。お気軽にご相談下さい。

🌿漢方相談について
オーダーメイド漢方は予約優先制です。お薬作成含め、初回50分、2回目以降30分程度頂きます。2回目以降は事前のご連絡で予めご用意できます。当日相談希望の場合は、店頭、お電話などでお問い合わせ下さい。商品購入のみはご予約不要です。

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