チンキと浸出油作りに必要な道具
ハーブは、ハーブティーとして飲むのが、最も一般的な方法でしょうか。
植物そのままの形や料理を食べたりすることもありますが、一手間かけることも多いですよね。
その一手間で、保存期間を延ばしたり、効率よく成分を摂取したり、肌に塗ったりして使うことができるようになります。
1.チンキ
ハーブを飲むという方法には、ハーブティーの他にも、「チンキ」という方法があります。
ハーブの成分を抽出して、1年程度保存できるので、手軽に飲んだり、コスメ作りの材料にされます。
チンキは、主に、ウォッカなどの度数の高いアルコールにハーブを漬け込んだもの。
毎日ふり混ぜて、一定期間(2~4週間程度)を置いたのち、漉します。
自宅でチンキを作る場合、ドライハーブで行うことが手軽で、ホワイトリカーなどの20度以上のアルコール度数があれば、失敗しにくいです。
生のハーブを使う場合、たくさんの水分を含んでいるので、チンキとして漬け込んだ際にアルコール度数が低くなってしまうため、かびやすくなります。生のハーブの時は40度以上のウォッカを使うことをおすすめします。
本来、ハーブには水に溶けやすい成分と油に溶けやすい成分があるので、何の成分を取り出したいか意識して、アルコール度数や抽出方法を工夫していくことも必要ですが、アルコール度数が40度というところで、水、油、どちらに溶ける成分もほどほどというところに落とし込めます。
教室で使っているウォッカは、 ウィルキンソンの40度のウォッカ です。
2.浸出油
チンキと同様に、ハーブを植物油に漬け込んだものを、浸出油(インフューズドオイル)といいます。
軟膏、コスメや石鹸の材料に用いられます。
チンキはアルコール濃度によって取り出すターゲットとなる成分が変わりますが、浸出油は油に溶けやすい成分を得られるのが特徴です。
浸出油の基材となる植物油は、水を嫌うので、生のハーブをつけ込む際には、収穫仕立ては避け、洗って1~2日干して、水気を飛ばしてから仕込んだ方が良いでしょう。
漬け込む植物油は、オリーブ油、マカデミアナッツ油などが一般的です。
ホホバ油を使うレシピを見かけることもありますが、ホホバ油は油脂ではなくワックスなので、成分の抽出に違いがあるでしょうし、低温で固化することがあるので、私は浸出油に使うことはありません。マカデミアナッツ油を使っています。
3.チンキや浸出油を濾す
ハーブを漬け込んだチンキや浸出油は、ハーブを入れたまま長期間放置しないようにしましょう。濾した後、煮沸消毒した瓶で保存します。
濾すときには、コーヒー用のドリッパーとフィルターがあると便利です。
私が使っているものは、HARIOと無印良品の陶器製のコーヒードリッパーです。
陶器なので、洗いやすく、エタノール消毒にも耐えられます。
プラスチック製だと、エタノールを繰り返し使うことで、着色や変質が早くなります。
ステンレスのフィルターも、紙のフィルターを併用せずと使える点で良いと思いますが、ハーブが細かい場合には、濾したものに混ざってしまいがちなので、粉末にした場合などは必ず紙のフィルターを併用しましょう。
ガラス製の500mLのメジャーカップがあると、ドリッパーが安定しておける、採れた量が計りやすい、消毒しやすいので便利です。お料理用に売られているものが手に入りやすいです。
コーヒードリッパー、フィルター、ビーカーがない場合、キッチンペーパー、洗濯ばさみ、マグカップなどで濾すこともできます。
ですが、ハーブのある暮らしを始めるのであれば、こういった道具があるとはかどると思います。普段の生活に使うものとして共有することもできますが、消毒はきちんと行いましょう。
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