コンサル例「軽度の気管支喘息」
先月の「ハーバルコンサルテーション」より、コンサル例を。
軽度の気管支喘息と診断され、アロマとハーブでできることはないかとの相談でした。
内服薬のモンテルカスト錠と、吸入薬のレルベアを使用中。
気管支喘息は、昔よりも、抗アレルギー薬や吸入薬も良いものが開発されたので、発作を起きないように薬物でコントロールすれば、ほぼ通常通りの生活が送れるようになったとも言われます。
花粉症もあるとのことで、まずは体質改善のために、ネトルのサプリメントをおススメしました。
作り方は、ネトルをパウダー化して、カプセルに詰めます。
即効性が出るものではないけれど、安心して薬と併用できるので、まずは2週間試したいとのことでした。
そのほか、ハーブティーを2種類提案。
1つ目のハーブティーは、体質改善をテーマに。ドイツの春季療法で使われる3つのハーブ、ネトル、ダンディライオン、エルダーフラワーをブレンドして、花粉症の予防や症状が出てしまったときにも使えるものを。
2つ目のハーブティーは、ひどい咳をテーマに。ひどい咳の鎮静にタイム、呼吸器に清涼感を与えるペパーミント、咳で消耗するビタミン補給にローズヒップ、荒れた粘膜を保護するマーシュマロウをブレンドしました。
正直、2つ目のブレンドティーはあまり美味しくない。でも、気にいってらっしゃいました。
ですが、私も咳がひどい時には、体がタイムを必要と感じます。
アロマでは、鼻のどすっきりジェルを。ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタ、ローズウッドをブレンドしました。
あと、ちょうど試作で作っていたハーブキャンディはプレゼント♪
お使いの薬とは安全に併用して頂けるので、しばらくハーブティーを1日2,3杯飲むことを中心に始めてもらうことになりました。
後日、ひどい咳用のハーブティーがとても効果が出たとのことで、50gのたっぷりサイズのオーダーを頂きました。
ひどい咳用のハーブティーにはタイムを入れていますが、新婚さんでしたので、お子さんを妊娠したと分かったら、出産するまで飲むのは中止して欲しいと伝えました。
タイムはとてもいいハーブですが、効果も強いので、妊娠中の方は禁忌になっています。お食事、たまに飲んだハーブティー程度では大きな影響が出るとは考えにくいですが、一日何杯もタイムのハーブティーを飲むのはやめましょう。
ご妊娠されたら、また相談して下さいと伝えましたが、妊娠後も咳のためのハーブティーが飲みたいとすれば、カモマイル・ジャーマンとペパーミントのブレンド、または、ペパーミントのシングルなどを提案しようかな~と思っています。それは、またその時まで。。。
雑談で気付いたことですが、長風呂が好きだとのことで。風邪の時もそうなのですが、気管支喘息など、ひどい咳が出る場合には、長風呂はおすすめはできません。
全身には自律神経が張り巡らされていて、一般的に活動している時は交感神経が優位に、リラックスしている時は副交感神経が優位になっています。
長風呂して副交感神経が優位になると、気管支は収縮します。
すると、息苦しくなったり、咳が出たり。
お布団に入って、寝る状態に入ると、咳がひどくなることがあるのも、同じ原理。
また、お風呂のように熱い蒸気がこもったところでは、気管支喘息発作が誘引されることも。
咳がひどい時の入浴はさっとすませましょうね。
あと、お使いの薬について、吸入薬の使い方の確認を。
気管支喘息の吸入薬は、現在は、普段のコントロールには長時間作動型β2刺激薬とステロイド剤の合剤、発作時には短時間作動型β2刺激薬を使用するのが主流。
β2というのは、気管支に多く分布する受容体で、これを刺激すると、気管支が拡張されます。
ステロイドは慢性的な気管支の炎症を抑えるために配合されます。
相談者の方もレルベアを使っていました。
吸入ステロイドは、内服ステロイドほど全身には作用せず、副作用が出にくいと言われています。
ですが、使った後、口の中に薬が残ったままになると、口の中が白い苔が生えたようになる口腔カンジダ症を起こすことがあるという報告があります。
このため、薬剤師は吸入ステロイドの使用後はうがいの徹底をお願いしています。
私は、口腔カンジダ症にかかってしまったという方にはまだお会いしたことがないのですが、嗄声(させい)=声枯れはよく訴えがある副作用です。
うがいをされている方たちでも、「声が昔と変わったと言われる」、「歌の習い事で高い声が出なくなった」など、何度も聞きました。
これは、薬剤が気管支や肺まで到達するまでに、喉に付着してしまい、ステロイドが原因で咽頭の筋力を低下させてしまうため。
うがいをしているとおっしゃる方でも、口の中をすすぐだけとおっしゃる場合もありますが、顔を上に向けて、ガラガラうがいをして下さい。
うがいが難しい小さいお子さんなどには、食事の前に吸入するように指導しますが、大人でも、食べ物や飲み物が通って、喉についた無駄な薬剤を流せるという点では、食前に使う方が良さそうですね。
ご相談ありがとうございました。
「薬剤師によるハーバルコンサルテーション」では、お一人ずつに合わせたアドバイス、レシピの提案をしています。
服用中のお薬のご相談も伺います。
アロマテラピーやハーブを中心に、様々な使い方を提案しますが、実際に作ってもらうクラフトはお客様自身でお決め頂くので、勧めたもののどれか一つでも、全部作るのでも、自由です。
材料費の目安もお伝えしますから、お値段聞いてから作る、というのでも大歓迎。
お気軽にご利用下さいね♪
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