漢方相談例2『鼻血』
漢方相談の症例は、症状の改善が見られた患者様で、ご本人の了承を得たもののみ、ご紹介しております。
患者様背景
10歳 男性
主訴
頻繁に鼻血が出る。ここ2週間くらい毎日鼻血がたくさん出て、くしゃみも多い。(特に、朝と、寝る前、お風呂に入る時)。耳鼻科には何度も見てもらっており、鼻炎が原因で出血しやすいと診断されている。
来店時の症状の強さ程度:10(10段階評価)
治療内容と患者様のご体調
初回来店:2023年9月。
朝起きた時、お風呂に入った時、寝る前など、鼻がむずむずしてしまい、くしゃみと鼻水が止まらない。鼻が敏感なのはここ最近のことではなく以前からで、何度も鼻をかんでもすっきりせず、最近はかんでいるうちに鼻血が出る。耳鼻科にかかっており、慢性鼻炎で鼻がすっきりしないため、出血しやすいのだろうと、抗アレルギー剤と点鼻の局所ステロイド薬が処方されていました。1年以上使っているが、効いているのかも良くわからず、ほぼ毎日鼻血を出しているので心配になり、保護者の方よりご相談がありました。
細身の男の子で、お腹の筋肉はピンと張っています。漢方薬は飲んだことがあり、味は大嫌いだけれど、最近は鼻血がたくさん出て気持ち悪いから、頑張って飲んでみるとのことでした。
体の陰陽のバランスが整っていないため、外からの刺激に敏感になってしまう「表虚」の状態になってしまい、ちょっとした環境変化でくしゃみが出やすいのだと想定。
ちょっとでも飲みやすいほうがいいと、粉の薬を希望され、まずは年齢に相応の量の1/2の量から練習とし、少な目で2,3日飲んでもらい、その後、本来の量にしてみましょうとお話ししました。飲みにくいことを心配されていて、可能だったらお湯に溶いて、無理だったら粉で飲むように指示していましたが、思っていたより飲みやすいと、男の子が自分でお湯に溶いて飲んでくれていました。ただ、本来の量では濃いと感じるとのことで半分の量で服用していたようでしたが、鼻血が1週間出ませんでした。
ところが、1週間出ていないのならもうやめてもいいだろうと、やめたら鼻がすっきりせず、一度、鼻血が出たそうです。鼻のむずむず感は回復していないようだったので、あと2週間継続し、調子が良ければ一度中止、まだむずむずするようであれば、もう少し継続してもらうこととしました。鼻をかんですぐ出血することは今のところありません。
その後は、調子の悪い日に飲めるように薬をもっておくことをお願いする予定です。
生活習慣としては、冷たい牛乳が好きでたくさん飲むということでしたが、お腹を冷やしていることも鼻の症状と無関係ではないこと、この薬の目的のうちに体を温めることもあるということを説明しました。
生まれ持った体質が漢方薬でがらっと変わることは難しいですが、自分が陥りやすい体調不良がある場合、そうならないよう普段の習慣を見直すこと、体質にあった漢方薬で早めに不調に対処することで、生活の質が良くなります。
当店をご利用頂き、ありがとうございました。