春の心や体をいたわる暮らし
桜の真っ盛り。
花が咲き、草木が芽吹き、動物の活動も活発になるころ。
外歩きが楽しいなと、うきうき体調が良くなる人もいれば、春だからこそ体調不良を訴える人もいますよね。
春に多い訴えとして、花粉症、蕁麻疹、めまい、イライラ、不安など。
中医学では冬から春にかけてあたたかくなってくると、「風邪(ふうじゃ=風の邪気)」が体の中に入ってトラブルを起こしたり、また、体の中で発生した風がトラブルを引き起こすと考えられていて、花粉症や蕁麻疹、気持ちが落ち着かないなどのトラブルが代表的です。
こういったトラブルにアロマやハーブを使いたいなという方が多くて、私もそういうことを教室で教えたりしているのだけれど、アロマやハーブということ以前にというか、同時に生活の見直しが必要になると思います。
体にいたわる習慣を「養生(ようじょう)」といいますが、「食事、運動、休養」の3本柱は、私たちの体を作る大事な習慣です。
アロマやハーブは、その3本柱でできてくる私たちの自然治癒力を引き出してくれるものと考えます。
春の養生として、こんなことをおすすめします。
食事
春にはいつもより「肝」の養生を心がけます。
「肝」は酸っぱい物が好き。酸味とちょっとの甘味を合わせた、旬の食材の酢の物やマリネを取り入れてみてはいかがでしょうか。旬の菜の花とタコを酢の物にしてみてはいかがでしょうか。
冬は動物は動くのを減らして、エネルギー消費を抑えたり、ため込みがちになるもの。
春は、冬に溜まったものを外に発散させる時期。
そんな時に役立つのは苦みを持つもので、解毒の働きがあるとされます。春に旬を迎える野菜には苦いものも多いです。セリ、菜の花、ふきのとう、山菜など。
「肝」の働きが弱って、気の巡りが悪くなると、気持ちの不安定にも繋がるとされるので、気の巡りを良くしてくれる、香りがある食材もお勧めです。この時期、柑橘がいろいろ出回っているので、皮をむいて、天然のアロマテラピー効果を楽しみながら食べると良いです。また、香りが良い物は前述の「風の邪気」が体に入ってくるのを防ぎます。春菊などもいいですね。
運動
花粉症で外に出るのがつらい方も多いかと思います。お散歩などお勧めしたいですが、おうちの中でも筋力アップにつながるような簡単なトレーニングをとりいれたいものです。特に、太もも、背中、ふくらはぎといった、大きな筋肉を鍛えられる筋トレをおすすめします。
運動をしない事より、もっと良くないのが座りっぱなしになること。筋力の低下、骨量の低下にもつながるし、冷えにも良くない。テレワークが多い状況ですが、意識的に椅子を立ちましょう。
休養
新しい節目を迎えたりする方が多い季節。また、寒暖差も激しく、天候も変わりやすい。いつもより大きなストレスがかかります。
お休みの日だからといって、遅くまで起きて遅く起きたりしないで、ほどほどの時間に起きて、午前中の日光を浴びましょう。日光を朝に浴びることで、セロトニンの分泌を促して、気持ちの安定につながります。また、メラトニンの分泌リズムを整え、睡眠の質の改善にも役立ちます。
アロマテラピー
食事でもおすすめした柑橘の香りは、気持ちを明るくしてくれて、交感神経系の働きを高めるものもあるので、活力UPにおすすめです。精油ではオレンジ・スイートが手に入りやすいですが、レモン、グレープフルーツなどお好みのものを使ってください。
ストレスが大きく悩みがちな方は、ベルガモットやネロリといった鎮静作用があるとされる精油も良いでしょう。
「柑橘 X 柑橘」の組み合わせは、絶対外れがないから、柑橘系の香りを3つくらい組み合わせるのも、軽くて、爽やかで楽しいです。
お部屋に焚いたり、スプレーにすると、気分転換に役立ちます。
ハーブ
春は、冬の間にたまった老廃物を排泄して、新しい1年を始めます。
ネトルやエルダーフラワーといった古くからデトックスに使われてきたハーブを取り入れます。ドイツでは「春季療法」と呼ばれています。花粉症に悩んでいる方にもおすすめのハーブです。
ストレスが強い方は、ジャーマン・カモミールやレモンバームなどの香りが良いハーブをハーブティーにして、夕食後にゆっくりと飲んで下さい。スマホは置いて、好きな本や画集を眺めてみましょう。
小さなストレスを自分で「なんとか」できる手段をいろいろもっていることが、心や体の健康につながりそます。
(追記)2024.02.23
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