新型コロナウイルス感染予防に取り入れたい対策
昨年の12月以降、中国の湖北省武漢市で新型コロナウイルス(COVID-19:コービッド・ナインティーン)が猛威を振るっています。
当初は感染拡大が限定的でしたが、日に日に世界中に広がっており、日本でも感染拡大が進んでいるので、心配している方も多いかもしれません。
HERBAL Laboとしては、感染症の専門家の発信を優先して届けたいという思いから、このトピックに関しての発信を避けておりましたが、周りの状況を見ても、デマに振り回されてしまったり、過剰な心配をしている方が多く、せめてHERBAL Laboのブログを見てくださっている方へ注意喚起をできればと思い、記事を書くことにしました。
原則、国のオフィシャルな機関のWebsiteから情報を得るのが最善かと思いますが、そちらにアクセスするよりも優先して近くの他人のSNSなどを信じてしまい、余計な不安を抱くことがないようにしていただければと思います。
今回の記事も、国の機関のWebsiteを私が読み、できるだけ平易な言葉でまとめてみました。
また、自然療法をどのように取り入れるかについても言及しました。普段、自然療法を教えていますが、自然療法の力を過信せず、科学で裏付けられたデータを読み解くことも大変大事と考えています。人に備わる自己治癒力を最大限生かす有効な方法を着実に取り入れましょう。
新型コロナウイルス(COVID-19)とは?
コロナウイルス自体は珍しいウイルスではなく、そもそも風邪の原因としてよく知られるウイルスです。最多はライノウイルス、その他はコロナウイルスやインフルエンザウイルスなどが続きます。
ただし、今回の新型コロナウイルスについて、すでに知られているコロナウイルスよりも重症度が高いとされ、感染拡大が懸念されています。
潜伏期間(2月23日付WHO)は1〜14日(5日間が最も多い)と、インフルエンザに比べ比較的長めと考えられているようです。
発熱や、咳などの呼吸器症状、全身倦怠感等の感冒(風邪)様症状が1週間前後持続することが多いのが特徴的です。
一般の方にわかりやすいように、厚生労働省がQ&Aをまとめたページがあるので、詳しく知りたい方はこちらを読んでみるといいと思います。
⇒新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
新型コロナウイルス(COVID-19)罹患時の症状と罹患者数のデータ
国立感染症研究所の発表によると、指定感染症へと届け出方式が変わった2020年2月1日以降に、2月19日現在で届け出られた2020年第7週(2020年2月16日)までの105例について、発熱76例(72%)、咳49例(47%)、重篤な肺炎10例(10%)、下痢5例(5%)、無症状13例(12%)だったようです。
比較的軽度の症状が多いと考えられますが、高齢者の方や、基礎疾患(高血圧、糖尿病、気管支喘息など)等をお持ちの方には、重篤になる可能性があるので、注意が必要です。
2月25日12:00現在、139例の患者、16例の無症状病原体保有者、陽性確定例1例が確認されています。
最新の状況は、厚生労働省のWebsiteのこちらで確認することができます。
⇒新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について
新型コロナウイルス(COVID-19)の主な感染経路
新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染・接触感染が主な感染経路であると考えられています。咳やくしゃみ、近距離でのおしゃべりなどで、感染者の飛沫がかかりますね。
厚生労働省からは、「屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わる」ということが危険因子とされており、こう言ったことで、患者集団(クラスター)が発生していると発表されています。
新型コロナウイルス(COVID-19)の対策のポイント
普通の風邪、インフルエンザ、ノロウイルスなどの予防と同じような感染症対策が必要です。逆にいうと、これといって特異的な対策はないので、できることを一つでも多く着実に行うことが大事かと思われます。
自分を守る
1.手洗い
流水と石鹸で手洗いをこまめに行います。
2.食事、運動、休養を見直し、健康管理する
人の体にはウイルスから体を防御する機能が元々備わっています。免疫力を発揮するためには、栄養バランスの良い食事や、運動、十分な睡眠が欠かせません。
3.口腔内の粘膜を潤す
のどの粘膜は乾燥すると防御機能が低下するので、こまめに少量ずつ水をとったり、飴やガムなどをとることは役立つかもしれません。室内も乾燥している場合には、加湿器などを使って、室内の湿度を50~60度に保ちます。
マスクは、他の方へ移さない効果はあるけれど、自分自身の感染予防にはあまり効果がないと考えられています。しかし、のどの乾燥を防ぐことには役立ちそうです。
4.アルコール消毒
新型コロナウイルスの消毒には、消毒用エタノールか、次亜塩素酸ナトリウム液が有効です。ただし、ドラッグストアで手に入りにくくなっています。手に入らないと慌てるより、「手洗い」を徹底させましょう。あくまで、消毒はウイルスの数を減らすのに有効なのであり、完全に滅菌し、数をゼロにするわけではありません。手洗いで流水でよく流すことで、できる限りウイルスの数を減らし、そこに、消毒用エタノールを使うことで、極力ウイルスの数を少なくするわけです。
5.換気
人が集まる場所の場合は特に、換気を定期的に行ったほうが良いでしょう。
他の人にうつさない
1.咳エチケット
咳が出る場合には、手で押さえたりせず、ティッシュやひじの内側などで多い、周りの人への感染を予防します。手で押さえたりしたときは、前述のように、手洗いをするべきでしょう。また、マスクを着用し、人が多く集まる場所への外出は避けてください。
2.マスクを正しく使う
前述の通り、自分自身の感染予防にはあまり効果がないと考えられていますが、マスクは飛沫の飛散を防ぐという意味では、他の方へ移さないためにもないよりはあったほうがいいと考えます。新型コロナウイルスの無症候例も出ているので、知らないうちに他の方へ移すことを防ぐためです。
マスクの効果を最大限発揮するためには、鼻と口をしっかりと多い、隙間が少なくなるよう装着します。マスクがずれて治したいこともあると思いますが、なるべくマスクには触らない、外すときはマスクの外側を触らないように気を付けて外します。
どこのだれか分からない方に高価で転売されているようなマスクを購入することは、正規に流通しているものでなく、衛生面でも問題があるかもしれませんし、ドラッグストアに列を作って並ぶことで感染の機会を増やしかねないのではないでしょうか。
必要以上に不安に思うようにせず、一番有効だと思われている方法が「手洗い」ですので、心と体の健康管理に努めましょう。
心に関して、軽視される傾向を感じますが、ストレスが高まると、血中コルチゾールレベルを高め、免疫力が下がります。
屋内で過ごす時間も増えますよね。屋内でも楽しめる、気分転換方法を探しましょう。
新型コロナウイルス(COVID-19)対策に取り入れたいアロマとハーブ
新型コロナウイルスの詳細はまだ詳しくは分かっていませんが、従来、コロナウイルスは風邪の原因ウイルスとしてよく知られているので、私たちにできるアロマとハーブのお手当ては、今のところ、風邪のときに使うものを選ぶのが無難かなと考えます。
アロマテラピー
家族など小さなお子様への安全性が高いものや、アロマテラピーを普段使われない方でも、香りを嗅いだ時に心地よく過ごせる精油を選びましょう。
個々の精油がコロナウイルスに対してどれほどの効果があるかはまだ未知ですが、新型コロナウイルスは、エンベロープを持つウイルスなので、エンベロープを溶かすエタノールを含むアロマクラフトには、エタノールによって、ある程度の効果が期待できると考えます。
私のお勧めの精油は、ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタ、ゼラニウム・エジプト、ティートゥリー、ホーウッドなど。
1.部屋にディフューズ
1日2、3回30分程度、専用のディフューズを用いて精油を部屋に焚きます。換気をしてからがいいですね。長時間焚き続けることは避けましょう。
2.感染症対策アロマスプレー
~材料~(全量約20mL)
・無水エタノール 14mL
・精製水 6mL
・精油 4~8滴
(または、無水エタノールと精製水の替わりに、消毒用エタノール 20mL用いる)
材料をすべて、清潔なスプレー容器に入れ、振り混ぜます。
マスクの外側に振りかけたり、手指の除菌、ウイルスの汚染が気になるところの掃除に使います。
3.ハンド用除菌ジェル
~材料~
・水性ジェル 10g
・無水エタノール 10mL
・精製水 10mL
・グリセリン 1mL(手が乾燥しやすい人の場合、お好みで追加)
・精油 5~10滴
すべての材料を混ぜ、清潔なチューブやシャンプー容器に入れます。コツは、ジェルに精油を加えて良く混ぜてから、エタノールや精製水を少量ずつ加え、良くかき混ぜていくこと。
私は、ボトルにジェルと精油を入れて、エタノールや精製水を少量ずつ加える度に、蓋をしてよく振る、というように作っています。
手を良く洗って水気をふき取ってから、または、手が洗えず気になる時に、500円玉程度を手にとり、乾くまで、爪先から指までよくこすります。
ただ、これだと、エタノール濃度は33%程度なので、正直、消毒レベルには遠いです。
水性ジェルは、私はジェルナチュレを使っていますが、無水エタノールがあまりに多くなりすぎると分離してしまいましたので、この程度しか添加できないように思います。(うまいやり方があるなら、知りたい。本当は2/3程度までエタノール濃度が欲しい。)
ハーブ
感染症対策に使えるハーブはたくさん考えられますが、味が比較的飲みやすい、手に入りやすいことを考慮して、免疫力を賦活するといわれるエキナセア、呼吸器系症状を緩和させるエルダーフラワー、体を温めるリンデンフラワーの3つのハーブをお勧めします。これに限らず、有用性を期待できるハーブは数々ありますので、すでに学んでいらっしゃる方は風邪対策として取り入れましょう。
これらのハーブをブレンドし、感染拡大が終息するまで意識してハーブティーとして1日2,3杯に分けて飲用、または、タンブラーなどに入れてこまめに水分補給として飲むのが良いでしょう。のどの粘膜の保湿にも有効です。
※エキナセアは自己免疫疾患にかかっている方は、飲用はすすめられません。
新型コロナウイルス(COVID-19)にかかったと思ったら、こちらへ
1.新型コロナウイルスに感染した疑いがある方
・新型コロナウイルス感染者と濃厚接触して、発熱または呼吸器症状がある
・流行地域を訪問した方、またはそのような方と濃厚接触して、発熱37.5度以上かつ呼吸器症状がある方
★帰国者・接触者電話相談センターに電話する
都道府県の各保健所に設置 ⇒新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター
2.感染したかもしれないと不安に思う方
★各都道府県の相談窓口に電話する
⇒各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口
<参考・引用Website>
・NIID 国立感染症研究所 新型コロナウイルス新型コロナウイルス(COVID-19) 関連情報ページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html
・厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09747.html
・厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の見解」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html
・政府広報オンライン: 正しい手の洗い方
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200909/6.html
・首相官邸 各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/corona_news.html
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