麻黄

写真は、「麻黄」です。

『本草綱目』では、「舌が麻痺する黄緑色の植物」であることに由来していた命名とされています。

『神農本草経』では、「中品」に分類され、中風や傷寒の際に用いて、汗を出して邪気を取り除いたり、咳への効果などが記載されています。

日本では、地上部を使い、節を去ったものがより効果が良いとされます。

中国では、根も使うそうで、薬効が異なり、止汗作用があります。

麻黄湯、葛根湯、小青竜湯、麻杏甘石湯、防風通聖散など、風邪薬として知名度が高い処方を中心に多くの処方に配合されています。

有効成分のエフェドリンやプソイドエフェドリンは、交感神経刺激作用や抗炎症作用があり、大変有用な成分ですが、麻黄が使えるかは人を選びます。胃部不快感、発汗しすぎる、不眠、前立腺肥大症の方などで尿の出が悪くなるなどの副作用が出ることもあるので、自己判断で長期間の服用はお勧めできません。風邪の予防として葛根湯を長期間服用される方がいらっしゃいますが、予防効果はありませんので、やめた方が良いです。肩こりへの効果を期待して長期間服用されることもありますが、これも体質に合わないと効果がないどころか体に負担がかかります。

漢方には副作用がないと思われている方も多いですが、薬効がある以上、副作用もあります。

また、オリンピックなどのアンチドーピング規定で麻黄は規制されているので、スポーツ選手の方は注意が必要です。

生薬には「六陳八新」という考えがあり、麻黄は六陳のうちの一つです。「陳」という漢字は古いものを指し、六陳は古い方がいい生薬、八新は新しい方がいい生薬といわれています。

「六陳八新」の生薬

・六陳:呉茱萸(ごしゅゆ)、半夏(はんげ)、橘皮・陳皮(きっぴ・ちんぴ)、枳実(きこく)、麻黄(まおう)、狼毒(ろうどく)

・八新:蘇葉(そよう)、薄荷(はっか)、菊花(きくか)、赤小豆(せきしょうず)、塊花(かいか)、沢蘭(たくらん)、款冬花(かんとうか)、桃花(とうか)

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