桂皮
シナモンは、漢方薬では「桂皮」として広く用いられています。
シナモンというと、シナモン・カシアと、シナモン・セイロンが主流ですが、起源植物が違い、漢方薬として用いられるのは、カシア(ケイ Cinnamomum cassia)で、樹皮または周皮の一部を除いたものを用います。
日本では、飛鳥・奈良時代に、中国から様々な生薬を持ち込まれていて、東大寺の正倉院には古い生薬が今も保存されています。正倉院の記録にも、桂皮は「桂心」として記載があるそうです。
生薬としての桂皮の作用は、体を温めたり、血流を促進させます。
後漢時代に張仲景が編纂した『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』という伝統中国医学の古典では、主に、急性の風邪のような感染症の治療について書かれているのですが、最初に出てくる処方は「桂枝湯」で、桂皮もその中に含まれています。
写真は桂枝湯です。
桂枝湯は、「衆方の祖」と呼ばれ、ここから派生した方剤がかなりあります。
中でも、麻黄湯、葛根湯、小青竜湯、柴胡桂枝湯などは、様々な風邪によく使われる漢方として、お世話になったことがある方が多そうです。
これら以外にも、同じく張仲景が編纂したとされる『金匱要略』で「虚労」という疲労感がある状態で使われる桂枝加竜骨牡蠣湯、黄耆建中湯など、書ききれません✒️💦
他にも、アロマテラピーで精油として、またハーブとして使用する場合には、妊娠中の利用に制限があります。
パンやお菓子、カレーなどで多用されていますが、食用として食べる場合には、そもそも使う量が少ないので、たまに口にする程度では健康被害が出る可能性が低いと想像されます。
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