薬草ではない生薬1「石膏」
煎じ薬を購入されるお客様には、使用した生薬の説明をすると、たまに、「え?!」と言われる生薬も。
そのうちの一つ、「石膏」です。
石膏は薬草ではなく、鉱物です。
石膏っていうと、「あの型取りの?」とか「美術の?」とか言われるのですが、まぁ同じようなものです。
固めて使う石膏は焼いてあって、石膏の中の水分が飛んでいるので、水を加えると固まります。
漢方に使う石膏は焼いてないから煎じても固まりません。
生薬としての石膏は、皮膚表面の熱を取る効果が強く、麻杏甘石湯、越婢加朮湯などに配合されています。
ところで、石膏は鉱物なので、煎じたところで、水には溶けませんが、何かしらの成分が水に溶けていて確実に効果があります。
昭和の漢方の大家の先生の本を読むと、それはそれは大量の石膏を使っていて、石膏そのものより、石膏に含まれる夾雑物(きょうざつぶつ)に効果があるのだとおっしゃっています(山本巌先生)。
溶けないとはいえ、量を増やすと、薬の見た目は白っぽく、ミルキーな感じになります。