漢方相談例14『動悸』

漢方相談の症例は、症状の改善が見られ、患者様ご本人の了承を得たものを紹介しております。

患者様背景

40代後半 女性

主訴

・緊張した時と、寝る前に動悸が出る(来店時のスケール8、10になるほど程度が強い)

治療内容と患者様のご体調

初回来店:2023年12月。この症状の訴え:2024年4月。

先日、たくさんの人の前で話したら、動悸、めまいがして、とてもつらかったです。景色が揺れて、動悸は1,2分ほど続いていました。朝に家族を送り出した後などのほっとした時、夜寝る前にも時々、動悸がします。動悸の時は、頭がゆらゆらして、胸がドクドクしています。

この訴えを伺う前から、漢方相談を利用されている方で、動悸は程度は強くないが、寝る前などに、たまに起きていました。ホットフラッシュなどの訴えもあり、更年期の不定愁訴を緩和するために役立つ漢方薬をお出ししており、程度は良くなってきていました。

しかし、4月に、極度に緊張を伴う場面で、動悸だけでなく、めまいも出たことで、とてもつらくなってしまうことが起きました。この状況は、普段からお悩みであった動悸とは程度が全く違い、とてもひどい状況だったと感じたそうです。

これを『傷寒論』でいうことの「奔豚(ほんとん)」という病態であるとみなし、動悸とめまいを改善できるような漢方薬に変更しました。

ご家族が直面している問題を考えると、自分のことのように苦しくなり、同じように動悸が出ていました。

10日後にお越しになられた際には、以前に動悸のためにとお出しした「柴胡加竜骨牡蛎湯」よりも、今回お出ししたものがしっくりきて、気持ちが安定した実感があるとおっしゃいました。

全体的には良くなっていき、時々2~3になるものの、8月現在は1~1.5というところで安定されています。

煎じ薬でお渡ししており、症状が落ち着いたので、ご自身での服用頻度の調節をお願いしています。

煎じ薬を飲まなかった日や、飲んでも症状が出てしまった日があると、頓服で気の巡りを良くするお薬を使われています。

薬はとても効いているとおっしゃいますが、大変難しいことに、動悸を悪化させる明確な人間関係などの悩みがあるけれど、それが解決できていませんから、原因はそのまま残っています。そうなると残念ながら症状の完全消失には時間がかかりそうです。

漢方薬でできるのは、解決していないお悩みを考えても、身体症状に出にくいように、また、出ても緩和できるようにすること。

引き続き、状況にあったサポートをさせて頂きます。

養生としては、自分のストレス解消方法や気持ちをノートなどに一度書き出してみることをおすすめしました。

当店をご利用頂き、ありがとうございました。

動悸のご相談は当店では多い相談です。漢方相談を利用される前に、必ず、病院で心電図などの検査を受けられることをお勧めします。

🌿漢方相談について
オーダーメイド漢方は予約優先制です。お薬作成含め、初回50分、2回目以降30分程度頂きます。2回目以降は事前のご連絡で予めご用意できます。当日相談希望の場合は、店頭、お電話などでお問い合わせ下さい。商品購入のみはご予約不要です。

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