花粉症と戦うアロマテラピーとハーブ

3月も半ば。まだまだ寒さは残りますが、梅や桃のお花が春がすぐそこだと教えてくれています。

春は風が強い日が多いですね。春の風といえば、花粉症の方には大敵?

お客様も花粉症の方が多いです。目のかゆみ、鼻水、喉の違和感、頭痛、咳など、花粉症の程度や症状は様々。

3、4月は一年の中でも梅や桜など日本の季節が存分に楽しめる季節なのに、お出かけの際にはマスクとゴーグルなど手放せないとか、苦労されている方も多いですね。

薬を飲んでもすっきりしないという方もたくさんです。薬の副作用の眠気やだるさだったり、花粉症の症状が引かなかったり。

私も20代の前半は大変な花粉症で、内服薬、目薬、点鼻薬のまさに薬のフルコースでやり過ごしていました。20代の後半はバンコクに4年間住んでおり、スギもヒノキの木もなかったので、全く花粉症はなかったのですが、春に東京に帰国すれば、あっという間に花粉症になっていました。

ところが!去年は花粉症がとても軽く、薬を飲んだのは4、5日間。

今年は、朝、たまに目がかゆいことはありますが、花粉症はほぼありません。夫も花粉症でしたが、今年はないとのこと。

今年と花粉症がひどかった3年前の違いといえば、心当たりは、、、、アロマテラピーとハーブ!!

花粉症に効果的と考えられる精油をブレンドしてディフューザーで焚く。

ルームスプレーにして、枕元や玄関にシュッ。

アロマバスオイルを作り入浴。

そして、ハーブティー。

特にハーブティーは、お教室を開いて以来、飲む量は増えました。オリジナルでブレンドしている、春にすっきりしない方のためのハーブティーも販売していますが、いろんなハーブをブレンドしなくても、ペパーミントやエルダーフラワーのシングルハーブティーを香りを嗅ぎながらゆっくり飲むだけでも、鼻やのどのすっきり感が得られるかもしれません。

花粉症は、自律神経のうち副交感神経が優位になっていると症状が強くでることが分かっていて、もっとも強い症状が出やすいのは、まさに副交感神経が優位になっている朝起きた時と言う方も多く、「モーニングアタック」とも呼ばれています。

まずは、朝にペパーミントティーを1杯飲んでみることから始めてみてください。

「花粉症におすすめの精油はありますか?」

よく聞かれる質問です。

精油のブレンドは、花粉症に良いといっても、心地よいと思える香りでないとの使いたくないですよね。

花粉症の場合は、

・花粉を異物としてとらえる免疫反応が強く出ていると考え、免疫機能調整作用をもつ精油
・鼻水や鼻づまりを改善する精油
・鼻水や鼻づまりを引き起こすヒスタミンを抑制する作用
・副交換神経が興奮しているときが一番症状が強く出るので、自律神経調整作用をもつ精油
・医療用でもあまりにひどい花粉症にはステロイドを投薬しますが、ステロイドを使ったときと同じような作用(コーチゾン様作用)をもつ精油
・体液の流れを整える精油

あたりが使えるでしょう。

花粉症による鼻水や喉の違和感を和らげたいときに使うジェルのレシピを考えてみました。

花粉症のための鼻のどすっきりジェル

<材料>(全量約10g、2.5%)
・リトセア 2滴
・ティートゥリー 1滴
・アカマツ・ヨーロッパ 1滴
・ユーカリ・ラディアタ 1滴
・ジェルナチュレ 10g

鼻のわきや下、首元などに薄く塗ります。

(写真は、NARD JAPANの試験農場に行った際に見た、ユーカリ・ラディアタのお花!)

リトセアは、ゲラニアールやネラールを含み、抗ヒスタミン作用を期待して。

ティートゥリーのα-テルピネオール、ユーカリ・ラディアタの1,8シネオールで、鼻づまりやくしゃみの改善を期待して。

アカマツ・ヨーロッパのコーチゾン様作用で、ひどい炎症を抑えるのを期待して。

香りの仕上がりは、レモンらしい甘さとすっきりさを持つ感じです。

バスオイル5mLに、この組み合わせの精油を5滴入れてバスオイルにしても。

3歳未満の小さなお子様なら、

ユーカリ・ラディアタ 1〜2滴
ジェルナチュレ 10g

の低濃度で様子を見ましょう。

アロマスプレーをつくって、マスクにしゅっとしても心地よいですよ。

マスクに精油を1滴垂らすという使い方もありますが、私は個人的にはあまりおすすめしていません。特に花粉症の時期は、肌も敏感になるという方が多く、ただでさえ肌が敏感になっているのに加えて、さらに刺激になることもあるでしょう。

スプレーにするメリットは、精油を1滴使うよりも少量の精油をマスクにかけられることもあります。また、スプレーは寝具に使えます。リトセアには誘眠作用といって、眠気を誘う作用も期待されます。

花粉症の人は、「目を取り出して洗いたいくらい」、「鼻を洗いたい」と言いますが、ちょっと待って!

ドラッグストアに売っている、ア○ボンのような目を洗う商品、ハナ○アという鼻を洗う商品。

私はおすすめしません!

特に、ア○ボンですが、薬剤師になったばかりの新人の頃に出会った眼科医の先生に、避けた方が良いといわれました。

鼻にしても、目にしても、粘液が粘膜を保護しています。粘液が少なくなれば、トラブルが起きるのです。涙は、2層になっていて、眼球に近いところに液層、その上に油層があり、目の感染症から守るだけでなく、目の乾燥も防いでいます。

頻繁に目をあらうと、眼球を保護している涙が流れてしまい、ドライアイや、感染症、炎症を引き起こす原因にも。小学校のプールのあとに目を洗った記憶がある方も多いと思いますが、同じ理由から現在は推奨されていません。

「ア○ボンをした後に油が浮いているから目が汚れている」。

確かに、アイメイクなどで汚れはあるかもしれませんが、その油、、、大事な涙の中の油層かも、、、

では、目を洗うためには何がいいのか?

1回使い切りのコンタクト用の目薬など、防腐剤の入っていない目薬が売っていますので、それを普通の目薬より多めの数滴を点眼して目を洗い流す程度で十分です。薬局では、ソフトサンティアという目薬が置いてあります。薬局により、値段が違いますが、1本200円程度で買えますので、目を洗いたいと思われる方は、薬剤師に聞いてみてください。

アロマやハーブで目のかゆみにアプローチするなら、ハーブウォーターでパックする方法もあります。

スキンケア用のコットン1枚を半分さいて、ハーブウォーターでひたひたにして、目を閉じた上にのせて、5~10分パック。ラベンダーウォーターやローズウォーターが使いやすく、おすすめです。

ハーブウォーターを点眼するという話も聞いたことがありますが、私はやりませんし、おすすめしません。防腐剤が無添加であるハーブウォーターで開封後直後のものならアリ?かもしれませんが、、、

そもそも水が多いものは、細菌が繁殖しやすいです。大腸菌群などの検査がされていて、それが出荷された時点では「陰性」であっても、開封して長く経ったり、詰め替えたりすると、細菌の混入のリスクが高まります。それを点眼するのは、私は抵抗あります。目のパップや、顔につける時にハーブウォーターが多少目に入ったところで気になりませんが。

医療用の薬剤、特に眼科用薬の細菌検査は、特に厳しいです。(このようなものも薬剤師国家試験にも出題されるんですよ)

KENSOのハーブウォーターにしても、「開封後は冷蔵庫で保存する」ようにと注意書きがあるのは、劣化を防ぐだけでなく、低温で保存することで細菌の繁殖を防ぐためです。

ちなみに、AEAJやJAMHAでは、水にラベンダー精油を入れて、よくかき混ぜて、タオルなどを入れて絞り、目の上にのせる方法を推奨していますが、目の中に精油が入るのは嫌なので私はやりません。精油は水に溶けないので、原液が肌につくことになりますし、目の周りの皮膚は大変敏感です。

精油やハーブなどは医薬品ではありませんから、あくまで自己責任の下での使用になります。安全に使って、楽しみましょうね。

注)
アロマテラピーやハーブは医療ではなく、セルフケアです。このレシピを試しても治らなかった、悪化した場合でも一切責任は持てません。フランス式アロマテラピーを勉強されたことがない方が、安易に高濃度に希釈した精油を使うことは危険です。また、私は西洋医学を否定していません。あまりにひどい症状であるなら受診をお勧めします。

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